肌の質感は、ポートレートの完成度を決める最重要ポイントです。髪や服が良くても、肌がプラスチックのように見えたり、逆にノイズだらけになったりすると一気に作り物っぽく見えてしまいます。しかも肌は厄介で、ツヤ感とテカリは紙一重、透明感と白飛びも混同されやすく、毛穴やほくろは少し強く出すだけで不自然になりやすい部位です。
一方で、肌はプロンプト設計をパターン化すると安定します。ポイントは、肌そのものの質感と、光の当たり方と、カメラ表現を分けて組み立てることです。肌がリアルに見えるときは、肌の情報量が増えているだけでなく、拡散光と反射光のバランスが整い、必要な範囲にだけ微細ディテールが乗っています。逆に失敗するときは、情報量が足りないか、情報量が過剰で肌が砂嵐になっているかのどちらかです。
この記事では、肌の質感を作るためのベースとなる考え方から、ツヤ感、透明感、毛穴、ほくろやそばかすまで、狙って自然に出すための具体フレーズをまとめます。最後に、破綻しやすい症状別の修正プロンプトも用意しているので、生成した画像を見て直すときにもそのまま使えます。
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肌質プロンプトは3層で考える


肌の質感は、だいたい次の3層を分けると制御しやすくなります。
1 層目 肌そのものの物性
皮膚の微細な凹凸、うぶ毛、毛穴、色むら、血色、角質の光の乗り方
2 層目 光の当たり方
拡散光が多いのか、反射が強いのか、どこがハイライトでどこが影か
3 層目 画としての表現
カメラの焦点距離、被写界深度、フィルム感、シャープネス、ノイズ量
プロンプトを作るときは、肌の単語だけを盛るよりも、光と画作りもセットにして「肌がそう見える状況」を作る方が成功率が上がります。
まずはコピペで安定する ベース肌プロンプト


このベースは、ツヤ肌にも透明感にも毛穴にも伸ばせる土台です。まずはここから始めると迷いにくくなります。
共通ベース 正の例
realistic skin texture, natural skin pores, subtle peach fuzz, fine skin microtexture, gentle skin specular highlights, natural unevenness, lifelike complexion, soft diffusion, high detail, sharp focus on skin
共通ベース 負の例
plastic skin, waxy skin, airbrushed, overly smooth skin, excessive blur, poreless skin, harsh sharpening, crunchy texture, overprocessed, doll like skin
ポイント
肌の情報量を増やす単語と、増やしすぎを抑える単語をセットで入れると暴走しにくいです。特に overly smooth と airbrushed の否定は、プラスチック化の予防として強めに効きます。
ツヤ感はテカリにしない 光の質を指定する


ツヤ感は肌の単語だけではなく、どこにどれくらいの反射が出るかで決まります。狙いは、ハイライトが面で伸びず、必要な場所にだけ乗る状態です。
自然なツヤを作る 正の例
healthy glow, soft specular highlights, controlled highlights, subtle sheen on cheekbones, dewy but not oily, balanced contrast, beauty lighting, soft key light, gentle fill light
テカリを抑える 負の例
oily skin, greasy shine, sweaty shine, harsh hotspot, blown highlights on forehead, mirror like reflection
使い分けのコツ
ツヤを強くしたいときは dewy を足して、同時に not oily を入れると破綻が減ります。額と鼻がテカる場合は forehead blown highlights を負で入れると改善しやすいです。
透明感は白さではない 血色と薄い影を残す


透明感を出そうとして skin whitening 方向に寄せると、のっぺりしやすくなります。透明感は、拡散光が多く、色むらが穏やかで、影が薄く残っている状態です。
透明感の正の例
translucent skin, soft subsurface scattering, gentle color transitions, subtle blush, natural blood flow, soft ambient light, smooth tonal gradation, airy lighting
白飛び防止の負の例
overexposed skin, blown whites, flat lighting, no shadow detail, chalky skin, grey skin
コツ
subsurface scattering は透明感に強いワードですが、強すぎると作り物になるので soft を付けて使うのが安全です。
毛穴を自然に出す ゼロか盛りすぎかを避ける


毛穴は出したい部位にだけ出すのが基本です。顔全体に等しく毛穴を乗せると、砂っぽいノイズとして出やすくなります。
毛穴の正の例
visible pores on cheeks, subtle pores, natural pore pattern, skin microtexture detail, high frequency detail but controlled, realistic close up portrait
毛穴が汚れ化したときの負の例
dirty skin, acne texture overload, gritty noise, sandpaper skin, excessive skin detail everywhere, over sharpened pores
コツ
close up と一緒に controlled を入れると、毛穴が暴走しにくくなります。逆に sharp と crisp を強くしすぎると砂肌になりやすいです。
ほくろとそばかすは 位置と濃さを指示すると自然に馴染む


ほくろやそばかすは、顔の情報量を上げる強い要素ですが、生成だとスタンプのように浮くことがあります。対策は、位置と大きさと濃さを具体化し、肌質単語と同時に入れることです。
ほくろの正の例
a small natural mole on right cheek, slightly faded, embedded in skin texture, not a sticker, natural pigment, subtle edge
そばかすの正の例
light freckles across nose and cheeks, soft distribution, natural density variation, subtle pigment, blended with skin texture
浮いてしまうときの負の例
sticker like mole, sharp edged mole, unnaturally dark freckles, uniform freckles pattern
コツ
not a sticker は効きやすい修正フレーズです。濃いほくろにしたい場合でも、edge を soft に寄せる方がリアル寄りになります。
乾燥肌 皮脂肌 年齢肌を作り分けるレシピ


肌質は一言でまとめるより、特徴を2つか3つに分けると安定します。
乾燥肌の正の例
matte skin, subtle flakiness very minimal, soft highlights, slightly reduced specular, gentle texture
皮脂肌寄りの正の例
slightly oily T zone but controlled, subtle sheen, realistic skin reflection, not greasy
年齢肌の正の例
fine lines, natural skin texture, slight under eye creases, realistic pores, subtle nasolabial folds, healthy but not overly smooth
年齢肌の注意
しわを増やしすぎると別人化しやすいので fine を付けて薄く入れるのが安全です。
破綻しやすい症状別 修正フレーズ集


症状別に、そのまま追記しやすい修正ワードをまとめます。
肌がプラスチックになるとき
追加する 正
skin microtexture, subtle pores, peach fuzz, natural unevenness
追加する 負
waxy skin, plastic skin, airbrushed, overly smooth
肌が砂っぽいノイズになるとき
追加する 正
controlled detail, soft diffusion, realistic close up with gentle sharpness
追加する 負
gritty noise, sandpaper texture, over sharpened, crunchy texture
ハイライトが飛ぶとき
追加する 正
balanced exposure, highlight rolloff, soft key light
追加する 負
overexposed skin, blown highlights, harsh hotspot
そばかすやほくろが浮くとき
追加する 正
embedded in skin texture, subtle edge, natural pigment variation
追加する 負
sticker like, sharp edged, unnaturally dark, uniform pattern
すぐ使える 完成形プロンプトセット


ここはコピペ用に、正と負をひとまとめにした形で置きます。まずはベースをそのまま使い、目的に応じてツヤや毛穴を足し引きしてください。
汎用 肌質強化セット 正
realistic skin texture, natural skin pores, subtle peach fuzz, fine skin microtexture, gentle skin specular highlights, healthy glow, translucent skin, soft subsurface scattering, gentle color transitions, subtle blush, balanced exposure, beauty lighting, soft key light, gentle fill light, high detail, sharp focus on skin
汎用 肌質強化セット 負
plastic skin, waxy skin, airbrushed, overly smooth skin, poreless skin, overly perfect skin, gritty noise, sandpaper skin, over sharpened, crunchy texture, dirty skin, acne texture overload, overexposed skin, blown highlights, harsh hotspot, chalky skin, flat lighting
ツヤ強めに寄せたいときは healthy glow と dewy but not oily を追加し、毛穴を出したいときは visible pores on cheeks を追加するだけでも変化が出ます。
まとめ
肌の質感は、ツヤ感や透明感の単語を足すだけでは安定しません。肌の物性、光の当たり方、画作りの3層を分けて設計し、情報量を増やす指示と増やしすぎを抑える指示をセットで入れることで、プラスチック化と砂肌化の両方を避けやすくなります。
まずはベース肌のセットを土台にし、ツヤはハイライトの位置と強さを制御し、透明感は白さではなく血色と薄い影を残す方向で調整するのが近道です。毛穴は顔全体に均一に乗せず頬など必要な部位に限定し、ほくろやそばかすは位置と濃さとエッジの柔らかさを指示して肌のテクスチャに埋め込む意識を持つと自然に馴染みます。
生成結果が崩れた場合も、症状別の修正フレーズを追記すれば戻せるケースが多いので、作り直しを繰り返す前に微調整を試してください。肌が整うとポートレート全体の説得力が一段上がり、髪や服の質感強化もより映えるようになります。今回のプロンプトセットを自分の定番として保存し、作品ごとの目的に合わせて足し引きしていくのがおすすめです。



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