AI画像生成でリアルな“布・服のシワ”を作る方法|質感・厚み・陰影のプロンプト術

AI画像生成において、服のシワは「リアルさ」を決定づける最重要の要素です。

特に人物画像では、布の素材・厚み・光源・姿勢が正しく反映されていないと、全体が不自然に見えてしまいます。

本記事では、素材別のシワ表現、構図のコツ、プロンプトの書き方を体系的にまとめます。


目次

服のシワがリアルに見えるための3つの要素

【挿絵】添付画像の人物が白Tシャツを着て自然光を受け、胸元と肩に柔らかい陰影が落ちるバストアップ構図。

光源と陰影の整合性

シワは光源の位置によって形が決まる。
上からの光 → 谷部分に深い影・山部分に強いハイライト
横からの光 → 布の凹凸が強調されやすい
AIは光の方向を理解して描くため、プロンプトに「光源方向」を明記すると破綻が大幅に減る。


素材別:リアルなシワを作るプロンプト設計

コットン・Tシャツ素材

Tシャツは最も頻出する衣服で、シワの量と質感がリアリティを左右する。
薄手のため細かいシワが生まれやすく、動きに応じて引っ張られる方向がはっきり出る。

使えるプロンプト例

detailed cloth wrinkles, natural cotton texture, soft fabric folds,
lightweight material, realistic stretch tension, subtle highlights

注意点

  • “wrinkle”を多用するとノイズ状になる
  • smooth cloth だけだとツルツルの違和感が出る

厚手アウター・ジャケットのシワ表現

厚手素材は「深く太い」シワが特徴。
肩・胸・肘・腰などの可動部分に強い陰影が生まれるため、光源の設定が最も重要。

プロンプト例

thick fabric, structured folds, heavy cloth wrinkles,
deep shadows, strong ridge highlights, realistic weight

デニム素材のシワ表現

デニムは硬い素材のため、線が強い“折れ”としてシワが生じる。
膝や腰の曲げ動作によって横方向の強いシワが目立つ。

プロンプト例

denim texture, stiff fabric wrinkles, high-contrast creases,
natural abrasion highlights

シルク・サテンなど光沢布のシワ表現

光沢布は「陰影よりハイライト」が主役。
シワの“形”より“光の流れ”を重視したプロンプトが有効。

プロンプト例

silky sheen, reflective highlights, flowing folds,
smooth fabric curvature

失敗しやすいシワと正しい回避方法

シワが多すぎる

  • ノイズのように見える
  • 汚れに見える
    → subtle wrinkles / soft folds など控えめワードで調整

身体の動きとの整合性がない

ポーズとシワの方向が一致していないと“破綻画像”になりやすい。
特に腹部・胸・袖のシワはポージング依存度が高い。


シワ強めとシワ弱めのコントロール方法

シワ強めにしたい場合

pronounced fabric folds, strong contrast shadows,
deep creases, detailed cloth texture

シワ弱めにしたい場合

smooth cloth surface, minimal wrinkles,
soft shadows, subtle fold lines

シワの精度を上げるためのネガティブプロンプト

extra folds, chaotic wrinkles, distorted fabric,
dirty texture, unnatural reflections, plastic-looking cloth

実践:Tシャツの自然なシワを生むプロンプト例

プロンプト

a young woman, rich anime style, based on the attached model face,
wearing a white cotton T-shirt, natural standing pose,
detailed cloth wrinkles, subtle fabric folds, realistic cotton texture,
accurate light direction, soft shadows on folds,
natural stretch tension around waist and shoulders, high-detail rendering

ネガティブ

extra folds, fused fabric, plastic texture, noisy shadows

まとめ:布シワは「素材 × 光 × ポーズ」で決まる

AI画像生成における布シワの再現は、単純な「wrinkles」という単語だけでは成立しません。
むしろ、モデルに対して “状況をどれだけ具体的に伝えられるか” が勝負です。

  • 素材が薄いのか厚いのか
  • 光はどの方向から差し込んでいるのか
  • 体がどちらに引っ張られているのか

これらが曖昧なままだと、AIは「とりあえずそれっぽいシワ」を描くしかなく、
結果として “洗濯に失敗したTシャツみたいな不自然な皺” が量産されてしまいます。

逆に、素材・光・ポーズの3つが明確に指定されていれば、
AIは「布の厚み」「重力」「テンション」「反射」の関係を正しく理解し、
現実の写真と見分けがつかないほど自然なシワを生成できるようになります。

特に、Tシャツやデニムなどのよく使われる素材は、
構図とポーズを1段階丁寧に指示するだけで別物のクオリティ になります。
たとえば、ただ立っているだけの姿勢から「片腕を軽く曲げる」「少し腰をひねる」など
“布が動くヒント” を少し与えるだけで、
AIは一気に「布の張り・重さ・クセ」を再現してくれます。

さらに言うと、布シワは“リアリティの最終調整パーツ”でもあります。
シワが自然なら、他の部分の描写も自然に見え、
逆にシワが不自然だと、どれだけモデルの顔が綺麗でも 画面全体が一気にAI臭くなる
そのくらい影響が大きい。

AI画像生成において布シワは、
「細かい要素なのに、完成度を左右する巨大ボス」みたいな存在です。
だからこそ、素材・光・ポーズの3つをセットで指定して、
AIに正しく状況を伝えることが、最も手っ取り早く品質を上げるコツになります。

AIが苦手とする“布の自然な物理表現”をこちらが丁寧にガイドしてあげれば、
どんな衣装でも、どんなキャラでも、破綻のないクオリティで再現できます。
生成精度を劇的に上げたい人は、ぜひこの3ポイントをワークフローの最初に組み込んでみてください。

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